「アニメの名作を一つ挙げろ」と言われたら今の所真っ先に思い浮かぶのが本作。
何と言っても素晴らしい脚本に尽きる。
母親が南極観測隊員だった”小淵沢報瀬”は行方不明になった母親を求めて南極に行く事を計画していた。
”報瀬”と共に各々の理由で加わった3人の少女と共に本当に南極に行く事になる。
序盤の南極に行くまでのエピソードにちょっとしたミステリー要素が組み込まれていたり本当に芸が細かい脚本に唸らせた。
多くの人は最終盤の”報瀬”の母親の痕跡に涙するのだろうが、自分はちょっと違った所に感動した。
それは中継地のシンガポールで”三宅日向”がパスポートを紛失する件である。
ここで”日向”の過去が明かされて、それが現在の彼女の性格に反映されているのだが、その話を聞いた”報瀬”が今までならちゃんと確実に自分が南極に行く事を優先させたであろうが、ここでは「4人揃って南極に行く」と優先順位を変更した事である。ここに彼女の人間としての成長が垣間見えた。
「3人で先に行け」と言う”日向”を遮り、自分の思いをまくし立てる”報瀬”の言葉に思わず感動して泣いてしまった。ここでの”報瀬”役・花澤香菜の演技は魂が籠っていて本当に素晴らしかった。
最後の最後のオチまでよく練られていて完璧で文句の付け所のない作品。
評価10/10